ANA国内線【PR】

ULTRASTUDIOスタッフのブログ。
by ultranagasawa
検索
カテゴリ
以前の記事
<  2012年 02月   >
  • 祝・芥川賞
    [ 2012-02-09 17:36 ]
  • オーケストラ・コンサート『Symphonic Fantasies』
    [ 2012-02-03 21:12 ]
  • 松井冬子展 - 世界中の子と友達になれる
    [ 2012-02-01 18:49 ]
祝・芥川賞
先月のことですが、今年も芥川賞が発表され、
不機嫌会見で話題の田中慎弥さんの『共喰い』、
円城塔さんの『道化師の蝶』の2作品が受賞しました。

僕は以前から円城塔さんの大ファンで、
文庫化された著作はアンソロジーも含めほとんど読んでいましたので、
嬉しいニュースとなりました。

それと同時に、とても驚きました。

会見でも本人がおっしゃっていましたが、
彼の小説は「奇妙」な構造を持っているものが多く、
とても万人向けとはいえない難解さを持っているからです。

審査委員会は「大変大胆な決断」があったのだと僕も思います。


そして先日発売された『道化師の蝶』は、
発売日に、早速仕事帰り本屋で購入して読んでみました。

…もの凄くおもしろい!
今まで読んだ彼の小説の中で最も読みやすいと思います。
はっとするような美しい表現や言葉が随所に散りばめられています。

しかし、「奇妙」な構造をとっているのは相変わらず。

各章が独立した形をとっていますが、少しづつ世界を共有することで繋がっていて、
それぞれの章が層となり、全てを読んだあと重ねて透かしてみるとある形が浮かんでくる。

また、第一章と最終章が裏返ってる繋がる、
「メビウスの輪」のような構造を持っています。

…と、いわれてもよく解らないと思いますが、
実は僕もよく解っていないのです…。

円城塔の小説の中にはよく、
人間の思考や脳をコンピュータの暗喩によって記述するような表現が出てきます。

それに習って書くと、
『おもしろい』『おもしろくない』と、『理解する』『理解できない』は、
直列回路(シリアル)ではなく並列回路(パラレル)なのだ、
ということに、円城塔を初めて読んだ時に気付かされました。

つまり、「よくわからないけど…凄くおもしろい!」という状態があり得るということ。
無理に全てを捉えようとせず、
小説の中の不可解な世界に身を預けて読み進めると、
うすぼんやりとした霧の向こうから、
感動的な何かがほのかに立ち昇っているのが見えるラストを味わうことができます。


朝日新聞で文芸評論家の斎藤美奈子さんは円城塔の小説を、
「10人読んだら3人はわからないといい、2人は「すげえ! 天才だ」といい、残り5人は途中で寝てしまうだろう。」と書いています。

とても的確な表現だと思いました。


nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-09 17:36 | review | Trackback | Comments(0)
オーケストラ・コンサート『Symphonic Fantasies』
少し前になりますが、
1月8日に東京文化会館で行われたコンサート
『Symphonic Fantasies - music from SQUARE ENIX』

日本公演に行ってきました。

このコンサートは、
2009年にドイツでケルンWDR交響楽団によって初回公演されており、
今回は東京フィルハーモニー交響楽団による日本公演となっています。

"music from SQUARE ENIX"
とタイトルが付いていることから何となくわかるかもしれませんが、
演奏される楽曲は全てゲームの中のBGMやテーマ曲が原曲となっています。

僕はテレビゲーム自体は高校生を最後に卒業しましたが、
プログレッシブロックの延長としてゲーム音楽が大好きで、よく聴いています。


「ゲームの音楽なんて…」と侮る事なかれ、
名作と呼ばれるゲームに名曲あり。

型にはまらない自由な楽曲が多く、
それぞれの世界観やストーリーの流れ、主人公の感情を表現するような、
ドラマチックな構成は聴く人の感情を揺さぶります。

そんな名曲をフルオーケストラでクラシック界のスター達が演奏。
聴ける機会はそうはありません。


コンサートの構成としては、
4部構成で、各部一つの作品にテーマを絞り、
2~30分の組曲形式でメドレーを演奏していきます。

それぞれにストーリー性があり、
アレンジも素晴らしいものでした。

個人的には『聖剣伝説』組曲の始まり部分に驚きました。

実際のゲームのオープニングで流れる、
森を表現したアンビエント(環境音)を、
不協和音や手を擦り合わせる音、膝を叩く音などで表現していました。

(ドイツ公演の映像があったので貼ります)

会場が最も盛り上がったのがこちら。
『Suite "Chrono"』


本当に素晴らしいコンサートでした。
あまり大きくない会場だったので、
アンプやスピーカーを使わず、生音で聴くことができたのも良かったです。
音色がとにかく美しく、気持ち良かった。


このコンサートは修了後も色々なところで話題になっているようです。
ゲーム音楽を「文化」として新しいステージに進める、
とても意義のあるものになったのではないでしょうか。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-03 21:12 | review | Trackback | Comments(0)
松井冬子展 - 世界中の子と友達になれる
現在横浜美術館で開催中の、
『松井冬子展 世界中の子と友達になれる』に行ってきました。
桜木町からランドマークタワー、クイーンズスクエア前を抜けて横浜美術館へ。
緑も多く海が見える横浜らしいランドスケープが続き、
特に天気がいい日は気持ちがいいです。
松井冬子さんは、新進気鋭作家として現在最も注目される画家のひとりであり、
最近はその美しい容姿もあってメディアへの露出も多くなっています。



東京藝術大学で日本画を専攻していた彼女の作品は、
日本画の独特な技法や画材から導かれる
繊細さ・美しさこそ持つものの、
花鳥風月など伝統的なテーマからは離れ、
狂気や生と死という人間存在の根底にかかわるテーマを追求しながら特有の絵画世界を創り出します。

僕が松井冬子さんを知ったのは数年前、「夜想」という雑誌の表紙に作品が使われていたことがきっかけでした。
物語的な構図と、描かれる人体の精密さと美しさに心奪われたのを覚えています。

もしかすると、初めて作品を見る方は
「グロテスク」「悪趣味」という印象を持つかも知れません。
しかし、人間というものは開いたら内蔵が出てくるもの。
それは現実であり事実であって、臓物を描くということは事実を見つめること同義である、と彼女はいいます。

その言葉の通り、作品に描かれる臓物はいたずらな露悪趣味とは真逆にあって、
真実から目を逸らさず苦悩や懊悩から逃げ出さない、真摯な「生」の力強さに結びついているのだと思います。



作品は松井冬子さんの公式webサイトで何点か見られるようです。
ご興味あればぜひ。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-01 18:49 | review | Trackback | Comments(0)


Link
XML | ATOM

skin by excite