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ULTRASTUDIOスタッフのブログ。
by ultranagasawa
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カテゴリ:review( 24 )
吉岡徳仁 - Crystallize 展 後編
東京都現代美術館で2014年1月19日まで開催中の、
「TOKUJIN YOSHIOKA Crystallize/吉岡徳仁-クリスタライズ」展。
本日は感想後編です。

先日のブログで紹介した《Tornado》ともう一作撮影可のだったのが、
こちらの《Rainbow Church(虹の教会)》です。
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おそらく本展覧会最大の見せ場でしょう。
私もこの作品が一番よかったと思います。

ステンドグラスのように使われているのは、およそ500個のクリスタルプリズムだそう。
外から入る光がプリズムを通して虹色となり、鮮やかに空間を彩ります。
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他の展示作品としては、
チャイコフスキー『白鳥の湖』を聴かせながら音の振動で結晶化させた絵画《Swan Lake》
薔薇の切花の表面を結晶で覆う彫刻《Rose》
7本の糸から生み出される椅子《蜘蛛の糸》
ハニカム構造をもつ薄い紙で構成され、座って座面が沈むことで完成する椅子《Honey Pop》
などがありました。


展覧会全体を通して、素直に「綺麗」だなと感じました。

紙やストロー、結晶やプリズムによる光の分散といった繊細なものを扱っているのに、
力強さのようなものが感じられるのが不思議でした。

2010年に森美術館で開催された『ネイチャー・センス展』を観ているのですが、
プリズムを扱った作品以外の展示は前展からの展開があまりみられなく、
そこは少し残念かな、と思いました。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2013-11-12 18:48 | review
吉岡徳仁 - Crystallize 展 前編
東京都現代美術館で2014年1月19日まで開催中の、
「TOKUJIN YOSHIOKA Crystallize/吉岡徳仁-クリスタライズ」展をみてきました。

吉岡徳仁氏はプロダクトや家具、建築など
幅広い領域のデザインやアートの分野で活躍するデザイナーで、
本展は彼の過去最大規模の個展となります。
ちなみに、一部の部屋では携帯電話のカメラに限って、写真撮影可となっていました。

まず会場に入ると、インスタレーション《Tornado》が目に入ります。

モクモクとした実体のない雲のようなこの作品は、
膨大な量のストローを接着剤などは用いず、単純に積み上げることで形にしています。
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鑑賞者は《Tornado》により順路に導かれ、それぞれの作品と出会っていく会場構成となっています。
近くでみると、半透明のストローで構成されていることがわかります。
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後編につづきます!


nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2013-11-08 20:02 | review
寺山修司と天井桟敷ポスター展
先日、渋谷のポスターハリス・ギャラリーで開催されている、
『寺山修司と天井桟敷◎ポスター展』を見てきました。
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今年上演された寺山演劇のチケットの半券があれば入場料が無料になるということで、
3月に上演された演劇実験室◎万有引力による『奴婢訓』のチケットを持参して、
無料で入ることができました。

横尾忠則や宇野亜喜良を始めとする、
現在でも活躍するイラストレーター・デザイナーが手掛けた歴代のポスターを
貴重な資料とともに見ることができる展示も良かったのですが、
物販(ミュージアムショップ)には絶版になっている音源や書籍が定価で売っていて、
その品揃えに驚きました。

思わず散財しそうになりましたが、
最も欲しかった『国境巡礼歌』限定アナログ盤のみ購入。
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ネットでは中古品もほとんど出回っていない貴重な盤を、
まさか新品で買えるとは思いませんでした…。

大事に聴いていきたいと思います。

nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-05-09 17:59 | review
冬目景『時空建築幻想譚 マホロミ』
僕は漫画が好きなので、よく買って読んでいます。

お気に入りの漫画家はたくさんいますが、
その中でも特に好きな冬目景さんの新刊が出たので、先月購入しました。
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『時空建築幻想譚 マホロミ』

建築を専攻し、設計事務所でアルバイトをする大学1年生の主人公は、
ある日、自分に不思議な力があることがわかります。
それは、古い建築物に触れると、
その建築物が持つ記憶や願いを「見る」ことができるというもの。
そんな主人公が、横浜を舞台に不思議な体験をしていく奇譚となっています。


内容も心が暖かくなるような優しいストーリーで面白いのですが、
物語の舞台が横浜なだけに、見覚えのある景色が数々登場し、
リアリティを持って読むことができました。

アルバイトをしている設計事務所「アトリエモリエ」の引越しのシーンがあるのですが、
引越し先の建物に見覚えが…
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おそらくモデルは馬車道に実際に在り、
JIA神奈川本部や飯田善彦さん、宮晶子さんの事務所等が入っている
「馬車道大津ビル」というアールデコ様式の古い建物だと思います。


冬目景さんは遅筆なことでも有名なので、
2巻が出るのがいつになるかわかりませんが、楽しみに待っていようと思います。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-03-21 18:05 | review
祝・芥川賞
先月のことですが、今年も芥川賞が発表され、
不機嫌会見で話題の田中慎弥さんの『共喰い』、
円城塔さんの『道化師の蝶』の2作品が受賞しました。

僕は以前から円城塔さんの大ファンで、
文庫化された著作はアンソロジーも含めほとんど読んでいましたので、
嬉しいニュースとなりました。

それと同時に、とても驚きました。

会見でも本人がおっしゃっていましたが、
彼の小説は「奇妙」な構造を持っているものが多く、
とても万人向けとはいえない難解さを持っているからです。

審査委員会は「大変大胆な決断」があったのだと僕も思います。

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そして先日発売された『道化師の蝶』は、
発売日に、早速仕事帰り本屋で購入して読んでみました。

…もの凄くおもしろい!
今まで読んだ彼の小説の中で最も読みやすいと思います。
はっとするような美しい表現や言葉が随所に散りばめられています。

しかし、「奇妙」な構造をとっているのは相変わらず。

各章が独立した形をとっていますが、少しづつ世界を共有することで繋がっていて、
それぞれの章が層となり、全てを読んだあと重ねて透かしてみるとある形が浮かんでくる。

また、第一章と最終章が裏返ってる繋がる、
「メビウスの輪」のような構造を持っています。

…と、いわれてもよく解らないと思いますが、
実は僕もよく解っていないのです…。

円城塔の小説の中にはよく、
人間の思考や脳をコンピュータの暗喩によって記述するような表現が出てきます。

それに習って書くと、
『おもしろい』『おもしろくない』と、『理解する』『理解できない』は、
直列回路(シリアル)ではなく並列回路(パラレル)なのだ、
ということに、円城塔を初めて読んだ時に気付かされました。

つまり、「よくわからないけど…凄くおもしろい!」という状態があり得るということ。
無理に全てを捉えようとせず、
小説の中の不可解な世界に身を預けて読み進めると、
うすぼんやりとした霧の向こうから、
感動的な何かがほのかに立ち昇っているのが見えるラストを味わうことができます。


朝日新聞で文芸評論家の斎藤美奈子さんは円城塔の小説を、
「10人読んだら3人はわからないといい、2人は「すげえ! 天才だ」といい、残り5人は途中で寝てしまうだろう。」と書いています。

とても的確な表現だと思いました。


nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-09 17:36 | review
オーケストラ・コンサート『Symphonic Fantasies』
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少し前になりますが、
1月8日に東京文化会館で行われたコンサート
『Symphonic Fantasies - music from SQUARE ENIX』

日本公演に行ってきました。

このコンサートは、
2009年にドイツでケルンWDR交響楽団によって初回公演されており、
今回は東京フィルハーモニー交響楽団による日本公演となっています。

"music from SQUARE ENIX"
とタイトルが付いていることから何となくわかるかもしれませんが、
演奏される楽曲は全てゲームの中のBGMやテーマ曲が原曲となっています。

僕はテレビゲーム自体は高校生を最後に卒業しましたが、
プログレッシブロックの延長としてゲーム音楽が大好きで、よく聴いています。


「ゲームの音楽なんて…」と侮る事なかれ、
名作と呼ばれるゲームに名曲あり。

型にはまらない自由な楽曲が多く、
それぞれの世界観やストーリーの流れ、主人公の感情を表現するような、
ドラマチックな構成は聴く人の感情を揺さぶります。

そんな名曲をフルオーケストラでクラシック界のスター達が演奏。
聴ける機会はそうはありません。


コンサートの構成としては、
4部構成で、各部一つの作品にテーマを絞り、
2~30分の組曲形式でメドレーを演奏していきます。

それぞれにストーリー性があり、
アレンジも素晴らしいものでした。

個人的には『聖剣伝説』組曲の始まり部分に驚きました。

実際のゲームのオープニングで流れる、
森を表現したアンビエント(環境音)を、
不協和音や手を擦り合わせる音、膝を叩く音などで表現していました。

(ドイツ公演の映像があったので貼ります)

会場が最も盛り上がったのがこちら。
『Suite "Chrono"』


本当に素晴らしいコンサートでした。
あまり大きくない会場だったので、
アンプやスピーカーを使わず、生音で聴くことができたのも良かったです。
音色がとにかく美しく、気持ち良かった。


このコンサートは修了後も色々なところで話題になっているようです。
ゲーム音楽を「文化」として新しいステージに進める、
とても意義のあるものになったのではないでしょうか。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-03 21:12 | review
松井冬子展 - 世界中の子と友達になれる
現在横浜美術館で開催中の、
『松井冬子展 世界中の子と友達になれる』に行ってきました。
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桜木町からランドマークタワー、クイーンズスクエア前を抜けて横浜美術館へ。
緑も多く海が見える横浜らしいランドスケープが続き、
特に天気がいい日は気持ちがいいです。
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松井冬子さんは、新進気鋭作家として現在最も注目される画家のひとりであり、
最近はその美しい容姿もあってメディアへの露出も多くなっています。


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東京藝術大学で日本画を専攻していた彼女の作品は、
日本画の独特な技法や画材から導かれる
繊細さ・美しさこそ持つものの、
花鳥風月など伝統的なテーマからは離れ、
狂気や生と死という人間存在の根底にかかわるテーマを追求しながら特有の絵画世界を創り出します。

僕が松井冬子さんを知ったのは数年前、「夜想」という雑誌の表紙に作品が使われていたことがきっかけでした。
物語的な構図と、描かれる人体の精密さと美しさに心奪われたのを覚えています。

もしかすると、初めて作品を見る方は
「グロテスク」「悪趣味」という印象を持つかも知れません。
しかし、人間というものは開いたら内蔵が出てくるもの。
それは現実であり事実であって、臓物を描くということは事実を見つめること同義である、と彼女はいいます。

その言葉の通り、作品に描かれる臓物はいたずらな露悪趣味とは真逆にあって、
真実から目を逸らさず苦悩や懊悩から逃げ出さない、真摯な「生」の力強さに結びついているのだと思います。



作品は松井冬子さんの公式webサイトで何点か見られるようです。
ご興味あればぜひ。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2012-02-01 18:49 | review
船→建築
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日曜日は、日本郵船歴史博物館で開催中の
『船→建築展 ~ル・コルビュジェがめざしたもの』
に行ってきました。

建築の目指すべき規範を、
船の機能性と合理性を見出していたル・コルビュジエをはじめとする
モダニズム建築家たちと船との関係性がよくわかります。

建築史のなかで船の存在がこんなにも大きなものだと認識していませんでした。
なるほど、コルビュジェの著書「建築をめざして」の原著では、
表紙に建築ではなく、客船のデッキ部分の写真が使われています。

大変印象に残る、説得力のある展示でした。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2011-02-07 20:17 | review
ネイチャーセンス展
六本木ヒルズにある森美術館で開催中の「ネイチャーセンス展」へ行ってきました。

吉岡徳仁氏、篠田太郎氏、栗林隆氏の3人によるインスタレーションが展示されています。

「自然を知覚する潜在的な力(ネイチャー・センス)や日本の自然観について考え、
それが現代の美術やデザインにどのように活かされているのかを問う」ということがコンセプトだったとのこと。

どれもスケールの大きな作品でした。
ちなみに、非営利であれば写真撮影が可能です。

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吉岡徳仁:「スノー」
半透明のスクリーン内の羽毛が、一定間隔で作動するファンによって舞い上がってはまた雪のようにゆっくりと降り積もる。

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篠田太郎:「残響」
3面の巨大なスクリーンに都市や郊外の風景の映像が映し出される。

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篠田太郎:「銀河」
円形の水槽に乳白色の液体が満たされ、天井から同時にいくつもの水滴が落ち、波紋が広がる。
波紋の位置関係は星座の形になっているそう。

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栗林隆:「ヴァルト・アウス・ヴァルト 林による林」
部屋全体にに和紙と紙パルプのシートが張り巡らされ、
ところどころに開いた穴から顔を出すと、地上には紙製の真っ白な唐松林が広がる。




なお、作品を撮影した写真のブログ掲載にあたってはクリエイティブ・コモンズライセンスの下で許諾されている。今回の投稿にあるすべての写真は「表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 」ライセンスでライセンスされている。



nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2010-09-23 14:59 | review
シュヴァンクマイエル展
先週末は連休をいただいたので、
都内を色々とまわることができました。

東北から出てきて2年経とうとしていますが、
あまり多くの場所には行けていなかったので、とてもいい機会になりました!

まずは日曜日。
世田谷区経堂にあるカフェ+ギャラリー"芝生"へ。
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アニメーション作家・映画監督ヤン・シュヴァンクマイエルの展覧会&上映会に参加してきました。
新作が来年公開になるそうで、それにともなうイベントのようで、
一足先に新作に使われる貴重なコラージュ24枚を見ることができます。

1時間ほどのドキュメンタリー映像を鑑賞した後、軽いレセプション。
店長のゆささんの煎れられたコーヒーの美味しいこと!
お勧めです。「芝生コーヒー」。

手作りのインテリアや家具が素敵なお店でした。
これからも、様々な企画展が催されるそうなので、またお邪魔したいと思います。


nagasawa / ULTRA STUDIO
by ultranagasawa | 2010-09-21 19:39 | review


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